「取引先から急かされているのに、営業から返事が来ない…」
「営業と他部署で言っていることが違って、どちらに合わせればいいのかわからない…」
「トラブルが起きると、なぜか営業事務の自分が対応することになる…」
営業事務として働いていると、このような板挟みの状況に悩まされることがあります。
営業事務は、営業をサポートするだけでなく、取引先や社内の他部署との間に入って調整する場面も多い仕事です。
そのため、自分には決定権がないのに回答を求められたり、双方から違う要望を言われたりして、強いストレスを感じることもあります。
あきら僕も営業事務として長く働いてきましたが、営業と取引先の間に挟まれ、「自分では決められないのに、どうして自分がここまで対応しなければならないんだろう」と感じることが何度もありました。
もし、板挟みになった時に大事なことは
板挟みになったときに大切なのは、すべてを自分で解決しようとしないことです。
- 自分だけで判断せず営業に確認する
- 相手の要望をそのまま引き受けない
- 必要に応じて上司を巻き込む
対応の仕方を変えるだけでも、営業事務の負担は減らすことができますよ。
そこで今回この記事では、以下について解説します。
- 営業事務が板挟みになりやすいケース
- 具体的な対処法や営業・取引先への伝え方
- 普段からできる予防策
「営業事務だから自分が何とかしなければ」と抱え込んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
営業事務が板挟みになりやすいケース


営業事務は、営業・取引先・他部署など、複数の人と関わりながら仕事を進めます。
そのため、それぞれの意見や要望が食い違うと、間に入る営業事務が板挟みになりやすくなります。
特に多いのは、次の3つのケースです。
- 取引先から急かされても営業から返事がない
- 営業と他部署で言っていることが違う
- クレーム対応を営業事務に任される
取引先から急かされても営業から返事がない
営業事務でよくあるのが、取引先から回答を急かされているのに営業から返事が来ないケースです。
たとえば、取引先から次のような依頼をされることがあります。
- 価格について確認してほしい
- 納期を早められないか確認してほしい
- 特別な条件で対応できないか聞いてほしい
営業事務では判断できないため営業へ確認しますが、営業が外出中だったり、商談中だったりすると、なかなか返事が来ません。
一方、取引先からすると、連絡を取っている相手は営業事務です。
そのため、
「まだ回答はもらえませんか?」
「いつになったらわかりますか?」
と何度も催促されることがあります。
営業から返事が来ないからといって、自分の判断で回答するのは避けましょう。
自分に決定権がないのであれば、営業へ回答期限を伝えて催促したり、必要に応じて上司へ相談したりすることが大切です。
営業と他部署で言っていることが違う
営業と他部署の意見が食い違っているときも、営業事務は板挟みになりやすくなります。
たとえば営業から、
「この納期で対応してほしい」
と言われても、物流や製造部門から、
「その納期では対応できません」
と言われることがあります。
ほかにも、次のようなケースがあります。
- 営業は対応できると言っているが他部署では対応できない
- 営業から聞いたルールと他部署から聞いたルールが違う
- 営業は急いでほしいが現場では優先順位を変更できない
このとき、営業事務が双方の意見を聞いて、自分なりに落としどころを決めてしまうのは危険です。
営業事務の役割は、必要な情報を関係者へ伝えて仕事が進むように調整することであり、すべての問題を自分で決めることではありません。
営業と他部署の意見が違う場合は、
というように、状況を整理して判断を求めましょう。
クレーム対応を営業事務に任される
クレーム対応を営業事務に任され、板挟みになるケースもあります。
電話を最初に受けた営業事務が、取引先から話を聞くこと自体は珍しくありません。
しかし、次のような営業事務だけでは判断できない問題まで任されると、負担は大きくなります。
- 営業担当者への不満
- 価格や契約条件に関する問題
- 重大な納期トラブル
特につらいのが、営業へクレームの内容を伝えても、
「とりあえず対応しておいて」
と言われてしまうケースです。
取引先からは強く言われ、営業からは対応を任されるため、営業事務だけが矢面に立つことになります。
営業事務が一次対応をすることと、クレームの責任者になることは別です。
自分の権限を超える内容であれば、
と伝え、営業や上司へ対応を引き継ぎましょう。
営業事務が板挟みになったときの対処法


板挟みになったときに一番避けたいのは、自分ひとりで問題を抱え込むことです。
周囲から回答を求められると、「早く何とかしなければ」と焦ってしまいます。
しかし、焦って自分で判断すると、あとからトラブルになる可能性があります。
板挟みになったときは、次の3つを意識してください。
- 自分だけで判断しない
- 要望をその場で引き受けない
- 対応できなければ上司を巻き込む
自分だけで判断せず営業に確認する
自分に決定権がない内容は、営業や責任者へ確認してから回答しましょう。
たとえば、次のような内容です。
- 値引きしてもよいか
- 納期を変更できるか
- 返品を受け付けてもよいか
取引先から、
「いつも対応してもらっているから今回も大丈夫ですよね?」
と言われると、その場で答えたくなるかもしれません。
しかし、自分の判断で「大丈夫です」と答えてしまえば、あとから営業に「そんな対応をしていいとは言っていない」と言われる可能性があります。
反対に、自分の判断で断ったあとに「今回は対応してよかったのに」と言われることもあります。
自分に決定権がないことは、これだけ伝えれば十分です。
「回答する人」と「判断する人」は必ずしも同じではありません。
営業事務が取引先へ回答する場合でも、判断自体は営業や上司にしてもらいましょう。
相手の要望をそのまま引き受けない
営業事務は、取引先や営業から頼まれると、つい「わかりました」と答えてしまいがちです。
しかし、相手の要望をそのまま引き受けてしまうと、自分が責任を持つ形になってしまいます。
たとえば取引先から、
「今日中に必ず納品してください」
と言われたとします。
ここで、
「わかりました。何とかします」
と答えてしまえば、取引先からすると納品を約束してもらったことになります。
自分に納期を決める権限がないのであれば、その場で約束してはいけません。
そのような場合は、
と伝えましょう。
「要望を聞くこと」と「要望を引き受けること」は別です。
対応できない場合は上司を巻き込む
営業に何度確認しても返事が来ない場合や、自分では調整できない問題が起きた場合は、上司を巻き込みましょう。
上司に相談することを、
「自分で解決できないと思われそう」
「告げ口みたいで嫌だ」
と感じる人もいるかもしれません。
しかし、自分の権限では解決できない問題を上司へ報告することは、仕事を進めるうえで必要な行動です。
特に、次のような場合は早めに相談したほうが安全です。
- 取引先から何度も催促されている
- クレームが大きくなっている
- 営業から回答が来ない
相談するときは、
というように、状況を具体的に伝えましょう。
いつ・誰に・何を確認し、現在どのような問題が起きているのかを整理すると、上司も判断しやすくなります。
営業と取引先の板挟みになったときの伝え方


営業と取引先の間に挟まれたときは、「何を伝えるか」だけでなく「どう伝えるか」も重要です。
営業には早く回答してほしい。
取引先には少し待ってもらいたい。
しかし、どちらかを責めるような伝え方をすると、人間関係まで悪くなってしまいます。
相手を責めるのではなく、現在の状況と期限を具体的に伝えることを意識しましょう。
営業から返事が来ないときの催促方法
営業へ確認しても返事が来ない場合は、
「確認お願いします」
だけで終わらせないことが大切です。
いつまでに回答が必要なのかも一緒に伝えましょう。
さらに急いでいる場合は、
と付け加えるのもおすすめです。
催促するときは、次の4点を明確にしましょう。
- どの取引先から
- 何について
- いつまでに
- 何を回答してほしいのか
「早くしてください」ではなく、「〇時までに回答が必要です」と事実を伝えることがポイントです。
取引先から回答を急かされたときの伝え方
取引先から回答を急かされたときに、
「営業がまだ返事をくれないのでわかりません」
と伝えるのは避けたほうがよいでしょう。
社内の事情をそのまま取引先へ伝えても、問題の解決にはならないからです。
代わりに、
というように伝えましょう。
すぐに結論を出せなくても、「次にいつ連絡するのか」を伝えるだけで相手の不安を減らせます。
確認に時間がかかりそうな場合は、
と伝えれば問題ありません。
わからない状態で無理に答えるより、確認中であることを正直に伝えたほうが安全です。
無理な納期を依頼されたときの断り方
営業事務では、取引先から無理な納期を依頼されることもあります。
その場で「無理です」と断るのではなく、まず希望を聞いたうえで社内へ確認しましょう。
確認した結果、希望どおりの対応が難しい場合は、
といった形で伝えます。
単に「できません」と断るのではなく、「どこまでなら対応できるのか」を伝えることがポイントです。
また、自分に納期を決める権限がない場合は、
と一度持ち帰りましょう。
板挟みを減らすために普段からできること


板挟みになってから毎回対処するだけでは、営業事務の負担はなかなか減りません。
同じような問題が何度も起きているのであれば、個人の対応力だけで乗り切ろうとするのではなく、仕事の進め方そのものを見直すことも大切です。
営業と営業事務の役割分担を決める
まず確認しておきたいのが、営業と営業事務の役割分担です。
たとえば、次のように分けます。
- 見積書の作成 → 営業事務
- 値引きの判断 → 営業
- 通常の納期回答 → 営業事務
- 納期短縮の交渉 → 営業
- クレームの一次受付 → 営業事務
- 重大なクレーム対応 → 営業
役割が曖昧だと、
「それくらいやっておいて」
「営業事務なんだから対応して」
と仕事がどんどん増えてしまいます。
特に重要なのは、「誰が作業するのか」より「誰が判断するのか」を明確にすることです。
営業事務が処理や連絡を担当するとしても、値引きや特別対応などの最終判断は営業が行うと決めておけば、責任の所在がわかりやすくなります。
判断が必要な案件の対応ルールを作る
営業事務が困りやすいのは、自分では判断できない案件が来たときです。
そのため、「この内容なら誰に確認する」というルールを作っておくと対応しやすくなります。
- 値引き → 担当営業
- 納期短縮 → 営業と関係部署
- 返品 → 営業または上司
- クレーム → 内容に応じて営業または管理職
さらに、担当営業が休みの場合に誰へ確認するのかまで決めておくと安心です。
毎回同じ内容で迷っているのであれば、その都度判断するのではなく、ルール化できないか考えてみましょう。
トラブル時の相談手順を決める
営業に相談しても返事がないとき、
「営業へ連絡したから、あとは待つしかない」
となってしまうと、取引先から催促された営業事務だけが困ることになります。
そこで、次のように相談手順を決めておくのがおすすめです。
担当営業
↓
営業リーダー
↓
上司
たとえば、
などの基準を作っておけば、営業事務が自分の判断でどこまで追いかけるべきか迷わずに済みます。
「困ったら誰に相談するのか」をあらかじめ決めておきましょう。
板挟みがつらくても営業事務がやらなくていいこと


営業事務はサポートする立場だからこそ、
「自分がやったほうが早い」
「営業に迷惑をかけたくない」
「取引先を待たせたくない」
と無理をしてしまうことがあります。
しかし、営業事務だからといって、すべてを引き受ける必要はありません。
板挟みがつらいときほど、「自分がやるべきこと」と「やらなくていいこと」を分けて考えましょう。
営業の代わりにすべて責任を負う
営業をサポートすることと、営業の責任まで引き受けることは違います。
たとえば、営業が取引先と約束した内容について、
「営業事務なんだから何とかして」
と言われても、自分だけでは解決できないこともあります。
営業事務が取引先との窓口になっているからといって、問題の責任者になる必要はありません。
特にクレームや取引条件に関わる問題については、「誰が責任を持って対応するのか」を明確にすることが大切です。
権限がないことを自分で判断する
板挟みの状態が続くと、
「もう自分で決めたほうが早い」
と思ってしまうことがあります。
しかし、権限がないことを勝手に判断すると、あとで責任を問われる可能性があります。
迷ったときは、
と一度考えてみてください。
自分で決めてよいかわからない時点で、営業や上司へ確認したほうが安全です。
自分では判断できないことを適切な人へつなぐことも、営業事務の大切な仕事です。
無理な要求を何でも引き受ける
取引先や営業との関係を悪くしたくないからといって、無理な要求まで何でも引き受ける必要はありません。
たとえば、
- 「今日中にやって」
- 「急ぎだから先に処理して」
といった依頼を毎回受けていると、自分の仕事が回らなくなってしまいます。
また、一度対応すると、
「前回もやってくれたから今回もできるよね」
と当たり前になってしまう可能性があります。
対応できない場合は、
というように伝えましょう。
何でも断ればよいわけではありませんが、できないことまで引き受けて自分が苦しくなる必要もありません。
板挟みが改善されず営業事務を辞めたいと感じたら


対処法を試しても、板挟みの状態が改善されない職場もあります。
- 営業がまったく対応してくれない
- 何でも営業事務へ丸投げされる
- トラブルが起きるたびに責任を押しつけられる
このような状態が続けば、「もう営業事務を辞めたい」と思うこともあるでしょう。
営業事務という仕事そのものが嫌なのか、現在の職場環境がつらいのかは分けて考えることが大切です。
まず上司に仕事の状況を相談する
まずは上司へ現在の状況を相談しましょう。
相談するときは、
「板挟みがつらいです」
だけではなく、次の内容を具体的に伝えることが大切です。
- どんな場面で困っているのか
- どのくらいの頻度で起きているのか
- 仕事にどのような影響が出ているのか
- 自分ではどのような対応をしているのか
たとえば、
と伝えれば、上司も問題を把握しやすくなります。
人間関係の不満だけではなく、仕事にどのような支障が出ているのかを伝えましょう。
配置転換や担当変更を相談する
問題の原因が特定の営業担当者や部署にある場合は、担当変更によって改善する可能性があります。
営業事務という仕事そのものが合わないのではなく、
「今担当している営業との仕事の進め方が合わない」
だけかもしれません。
営業によって、次のような違いがあります。
- 営業事務へ任せる仕事の範囲
- 連絡の取りやすさ
- 仕事の進め方
担当する営業や部署が変わるだけで、板挟みになる頻度が減ることもあります。
社内で配置転換や担当変更が可能であれば、転職を決める前に上司へ相談してみるのもひとつの方法です。
改善が期待できなければ転職も選択肢に入れる
上司へ相談しても改善されない場合や、会社全体で営業事務に負担を押しつける文化がある場合は、転職を考えるのもひとつの選択肢です。
営業事務は会社によって仕事内容が大きく異なります。
営業と事務の役割分担が明確な会社もあれば、営業事務が幅広い調整業務を担当する会社もあります。
「営業事務だから、どこの会社でも板挟みになる」とは限りません。
転職を検討するときは、次の項目を求人票や面接で確認しておきましょう。
- 営業と営業事務の役割分担
- クレーム対応を誰が担当するか
- 納期調整を誰が行うか
- 営業事務の人数
- 1人の営業事務が担当する営業の人数
事前に確認しておけば、転職後に同じ悩みを繰り返すリスクを減らせます。
まとめ|営業事務の板挟みは一人で抱え込まない


営業事務は、営業・取引先・他部署など多くの人と関わるため、どうしても板挟みになりやすい仕事です。
特に、次のような状況では大きなストレスを感じることがあります。
- 取引先から急かされても営業から返事がない
- 営業と他部署で言っていることが違う
- クレーム対応を営業事務に任される
板挟みになったときに大切なのは、すべてを自分で解決しようとしないことです。
- 自分に決定権がないことは営業へ確認する
- 相手の要望をその場で引き受けない
- 自分だけでは対応できない場合は上司を巻き込む
「自分が対応すること」と「ほかの人に判断してもらうこと」を分けて考えましょう。
営業事務は調整役になることの多い仕事ですが、すべての責任を背負う仕事ではありません。
何度相談しても板挟みの状況が改善されず、仕事へ行くこと自体がつらくなっているのであれば、担当変更や配置転換、転職なども含めて働く環境を見直してみてください。
「営業事務だから自分が何とかしなければ」と一人で抱え込まず、周囲を頼りながら仕事を進めることが大切です。









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