営業事務として働いていると、
「この入力、毎回やる必要ある?」
「同じメールを何度も作るのが面倒」
と感じる仕事がありませんか。
- 受発注
- 納期確認
- 見積書作成
- データ入力
- メール対応
など、営業事務には小さな定型作業が多くあります。
僕も営業事務として10年以上働くなかで、同じ内容を何度も入力したり、必要なファイルを探したり、「もっと早くできるはずなのに」と感じる仕事がありました。
業務改善というと、大がかりなシステム導入や難しい自動化を想像しがちです。
しかし実際は、メールをテンプレート化する、Excelへの二重入力を減らす、よくある質問を共有するといった小さな改善でも効果があります。
この記事では、
- 営業事務で改善すべき業務の見つけ方
- すぐ試せる7つの改善アイデア
- 改善を進める手順
- 生成AIの具体的な使い方
まで紹介します。
営業事務で業務改善すべき仕事の見つけ方

業務改善で最初にやるべきなのは、新しいツールを探すことではありません。
毎日の仕事から「改善すると効果が大きい業務」を見つけることです。
特に、次のような仕事は改善候補になります。
何度も繰り返している仕事
毎日・毎週・毎月のように繰り返している仕事は、最初に見直したい業務です。
- 毎朝作成している売上資料
- 毎月行う請求データの集計
- 毎日送っている定型メール
- 定期的に作成する報告資料
1回あたり数分でも、頻度が高ければ年間では大きな差になります。
あきら僕自身も、以前は「いつもの仕事だから」と特に疑問を持たず、同じ手順を繰り返していました。
定型業務を見つけたら、「毎回やる必要があるか」「入力や作成を省けないか」と考えてみましょう。
同じ内容を何度も入力している仕事
同じ情報をExcelや社内システムへ何度も入力している場合も改善余地があります。
例:受注内容を基幹システムへ入力したあと、Excelの受注一覧と営業担当別の管理表にも同じ内容を転記している。
入力箇所が増えるほど、作業時間だけでなく転記ミスや修正漏れも起きやすくなります。
「元になるデータを1つにできないか」
「コピーや自動取得に変えられないか」
を確認してみてください。
ミスや確認漏れが起きやすい仕事
間違えると手間が増える仕事も、優先して改善したい業務です。
- 数量・単価・金額の入力
- 納期の入力や回答
- 見積書の作成
- 発注処理
- メールの宛先や添付ファイルの確認
ミスが起きるたびに「次は気をつけよう」で終わらせると、忙しい日に同じことが起こりやすくなります。
探す・聞く・待つ時間が多い仕事
営業事務では、自分が手を動かしている時間以外にも多くの時間を使っています。
- 必要なファイルを探す
- 営業担当へ毎回同じことを確認する
- 社内ルールを誰かに聞く
- 回答待ちで作業が止まる
よく確認する情報を共有したり、保存場所を統一したりすると、「探す・聞く」時間を減らせます。
営業事務の業務改善アイデア7選


ここからは、営業事務として働いている本人でも取り組みやすい業務改善アイデアを7つ紹介します。
一度に全部変える必要はありません。
「明日から使えそう」と感じるものを1つ選んで試してみてください。
1.メールや定型文をテンプレート化する
似た内容のメールを何度も作っているなら、テンプレート化が最も始めやすい改善方法の1つです。
- 納期回答
- 見積書の送付
- 注文のお礼
- 資料の送付
- 営業担当への確認依頼
毎回ゼロから文章を考えず、基本文を保存して会社名・商品名・納期など必要な箇所だけ変更します。
例:〇〇株式会社
〇〇様
いつもお世話になっております。
ご依頼いただきました〇〇の納期について、〇月〇日を予定しております。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
特に送信頻度の高いメールからテンプレート化すると効果を感じやすくなります。
2.Excelへの二重入力・転記を減らす
受注情報や売上データを複数のExcelへ手入力している場合は、転記そのものを減らせないか考えます。
受注一覧へ入力
↓
売上一覧へ転記
↓
営業担当別の管理表へ転記
このような流れなら、最初に入力したデータをXLOOKUPなどで参照したり、ピボットテーブルで集計したりできる可能性があります。
「入力を速くする」より「入力回数を減らす」ほうが、ミス防止にもつながります。
3.Excel関数で集計作業を効率化する
営業事務で毎月同じ集計やデータ加工をしているなら、Excelの機能を使える可能性があります。
- XLOOKUP:別表から商品名や単価などを取得する
- SUMIFS:担当者別・商品別など条件を指定して集計する
- IF:条件によって表示内容を変える
- 条件付き書式:未入力や期限超過を目立たせる
関数をすべて覚える必要はありません。
「毎月この作業を手でやっているけれど、Excelで省けないか」という視点を持つことが重要です。
4.ファイルの保存場所と名前を統一する
「最新版の見積書が見つからない」「どのフォルダに保存したかわからない」という時間もムダになりやすい部分です。
保存場所だけでなく、ファイル名の付け方まで決めておくと探しやすくなります。
例:202609_株式会社〇〇_見積書
例:株式会社〇〇_商品A_見積書_202609
会社や部署ですでにルールがある場合は、それに合わせてください。
業務改善というと自動化へ目が向きますが、「探す時間をなくす」だけでも十分な改善です。
5.よく聞かれる内容を一覧化する
営業担当やほかの部署から同じ質問を何度も受けるなら、「質問されるたびに答える」状態を見直してみましょう。
- 在庫状況
- 標準的な納期
- 商品情報
- 担当者一覧
- よく使う社内ルール
共有Excelや社内ツールなど、関係者が自分で確認できる場所へまとめておけば問い合わせを減らせます。
繰り返し聞かれる質問は、個別対応ではなく仕組みで解決できないか考えてみるのがおすすめです。
6.チェックリストと簡単なマニュアルを作る
ミスが起きやすい業務や、自分しか手順を知らない業務は、チェックリストやマニュアルにしておきます。
- 何をする業務なのか
- どのファイルを使うのか
- どの順番で進めるのか
- 間違えやすい箇所はどこか
- 完了後に何を確認するのか
最初から立派なマニュアルを作る必要はありません。
まずは箇条書きとスクリーンショットだけでも十分です。
自分が休んだときや担当変更になったときにも役立ちます。
7.ChatGPTなどの生成AIを補助ツールとして使う
文章作成やアイデア出しに時間を取られているなら、ChatGPTなどの生成AIも業務改善に活用できます。
- メールのたたき台を作る
- 電話メモを整理する
- 長文を要約する
- Excel関数を考える
- マニュアルの構成を作る
- 業務改善案を出す
AIに仕事を丸ごと任せるというより、「考える・整理する・文章にする」部分を手伝ってもらうイメージです。
顧客名、個人情報、価格情報、未公開情報などをそのまま生成AIへ入力しないでください。勤務先の生成AI利用ルールを確認したうえで使用しましょう。
営業事務の業務改善を進める5つの手順


改善アイデアを思いついても、いきなりExcelやAIを使い始めるのはおすすめしません。
次の順番で考えると、「改善したつもりなのに逆に面倒になった」という失敗を防ぎやすくなります。
1.普段の仕事を書き出す
まず、自分が日常的に行っている仕事を書き出します。
- 受注入力
- 発注処理
- 納期確認
- 見積書作成
- 電話・メール対応
- 売上集計
- 資料作成
頭の中だけで考えるより、見える形にしたほうが改善候補を探しやすくなります。
2.時間・頻度・ミスの多さで優先順位を付ける
書き出した仕事を、次の3つで確認します。
- 時間がかかっているか
- 何度も繰り返しているか
- ミスが多いか
正確に時間を計測できなくても、「毎日20分くらい」「月末に2時間くらい」など、おおよその把握で構いません。
頻度が高く、時間もかかる仕事ほど、改善したときの効果が大きくなります。
3.無くす・減らす・まとめる・自動化するの順で考える
改善方法を考えるときは、いきなり自動化しないのがポイントです。
- 無くす:そもそも必要な作業か
- 減らす:回数や入力項目を減らせないか
- まとめる:複数の作業を一度にできないか
- 自動化する:Excelやツールへ任せられないか
毎日作成している資料なら、「毎日本当に必要か」→「項目を減らせないか」→「別の資料と統合できないか」→「Excelで自動化できないか」の順番で考えます。
不要な仕事を自動化しても、不要な仕事が速くなるだけです。
4.まず1つだけ試す
改善したい業務が複数あっても、一度に変更する必要はありません。
今週:納期回答メールをテンプレート化する
今月:売上集計の手入力を1か所減らす
このくらいの小さな改善から始めたほうが、仕事を止めずに試せます。
5.改善前後を比較する
変更後は、本当に仕事が楽になったか確認します。
- 作業時間が減ったか
- 入力ミスが減ったか
- 確認回数が減ったか
- 問い合わせが減ったか
- 作業がわかりやすくなったか
数字や変化を記録しておくと、自分の改善効果を確認できるだけでなく、上司へ業務改善の成果を説明するときにも使えます。
営業事務の業務改善に生成AIを使う具体例
生成AIを使うなら、「AIで効率化する」という抽象的な使い方ではなく、今時間を取られている作業へ当てはめることが重要です。
メール作成のたたき台を作る
たとえば、取引先へ納期変更をお願いするメールを毎回ゼロから考えているなら、文章のたたき台を生成AIに作ってもらえます。
あなたは営業事務です。
取引先へ納期変更をお願いするメールを作成してください。
・丁寧なビジネスメール
・納期を〇月〇日から〇月〇日に変更したい
・理由を簡潔に説明する
・一方的な印象にならない文章にする
・200文字程度
生成された文章をそのまま送るのではなく、相手との関係性や実際の状況に合わせて修正します。
Excel関数を考えてもらう
関数名がわからなくても、やりたいことを説明すれば候補を出してもらえます。
Excelで、Sheet1のA列の商品コードとSheet2のA列の商品コードが一致した場合、Sheet2のB列の商品名をSheet1のB列へ表示したいです。
使用できる関数と数式を、Excel初心者にもわかるように説明してください。
数式を作ってもらったら、いきなり本番データへ入れず、コピーしたファイルや少量のデータで動作確認してから使いましょう。
業務改善案を一緒に考えてもらう
「何を改善すればいいかわからない」ときは、現在の作業内容をAIへ説明し、改善案を出してもらう方法もあります。
営業事務として、毎日次の作業をしています。
・受注データをExcelへ入力
・同じ内容を別の管理表へ転記
・担当営業へメールで報告
この業務について、
1.無くせる作業
2.減らせる作業
3.まとめられる作業
4.Excelや生成AIで効率化できる作業
の4つに分けて改善案を提案してください。
自分では当たり前になっていた手順も、第三者の視点で整理すると改善点を見つけやすくなります。
業務改善がうまくいかないときの対処法


営業事務は営業担当、取引先、ほかの部署など多くの人と関わるため、自分だけでは変えられない業務もあります。
その場合は、会社全体を変えようとせず、自分が変更できる範囲から進めましょう。
自分だけで変えられる業務から始める
最初は、ほかの人への影響が少ない改善がおすすめです。
- メールテンプレートを作る
- 自分用のチェックリストを作る
- Excel関数で手入力を減らす
- 自分のフォルダを整理する
小さな改善で効果を確認してから、必要に応じて周囲へ広げていくほうが進めやすくなります。
周囲に影響する変更は先に相談する
共有ファイルの保存場所や業務フローを変更する場合は、関係者への相談が必要です。
「便利になると思います」だけでなく、変更する理由を具体的に説明します。
「現在は同じ内容を2つの管理表へ入力しているため、片方を自動反映にすれば転記作業と入力ミスを減らせそうです。まずコピーしたファイルで試してもよいでしょうか」
いきなり今の方法を否定するより、「今の業務を残したまま小さく試す」と提案したほうが受け入れてもらいやすくなります。
新しい方法のほうが面倒になっていないか確認する
便利そうなツールを導入しても、入力項目や操作が増えれば業務改善とはいえません。
業務改善の目的は、新しいツールやAIを使うことではありません。「作業時間・ミス・手間を減らせたか」で判断しましょう。
営業事務の業務改善は小さなムダを1つ減らすことから始めよう


営業事務の業務改善は、大がかりなシステムを導入しなくても始められます。
まずは毎日の仕事から、次のような業務を探してみてください。
- 何度も繰り返している
- 同じ情報を何度も入力している
- ミスや手戻りが多い
- 探す・聞く・待つ時間が多い
改善する仕事を見つけたら、「無くす→減らす→まとめる→自動化する」の順番で考えます。
そのうえで、メールテンプレート、Excel、チェックリスト、生成AIなど、自分の業務に合う方法を取り入れていきましょう。
僕も営業事務として10年以上働いてきましたが、業務改善で大切なのは、すごい仕組みを作ることではないと感じています。
毎日面倒に感じている作業を1つ減らせれば、それも十分な業務改善です。
まずは今日の仕事の中から、「これ、毎回やる必要があるのかな」と感じる作業を1つ探してみてください。
そこから業務改善を始めてみましょう。




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