営業事務の仕事でAIを使ってみたいと思っても、「何に使えばいいの?」「本当に仕事がラクになるの?」と感じる人は多いのではないでしょうか。
営業事務は、メール対応、電話対応、受発注、納期調整、Excel作業など、細かい仕事が次々に発生します。
あきら僕自身も営業事務として10年以上働くなかで、一つひとつは難しくなくても、複数の仕事が重なることで負担が大きくなる場面を何度も経験してきました。
AIは、営業事務の仕事をすべて代わりにやってくれるものではありません。
一方で、文章作成や情報整理、要約、たたき台作成など、時間を取られやすい作業をサポートしてもらう使い方とは相性がいいです。
この記事では、営業事務でAIを活用する具体的な方法を、実際の業務に落とし込んで紹介します。
- 営業事務でAIと相性がいい仕事
- メール・電話メモ・Excelなどでの具体的なAI活用方法
- そのまま使えるAIプロンプト例
- 営業事務がAIを使うときの注意点
- 無理なくAI活用を始める方法
AIを使ったことがない人でも試せるように、具体的なプロンプトも紹介します。
「営業事務の仕事を少しでも効率化したい」と感じている人は、自分の業務で使えそうなところから試してみてください。
営業事務でAIを活用すると、どんな仕事がラクになる?


営業事務でAIを活用しやすいのは、主に文章作成や情報整理などの仕事です。
反対に、受発注の確定や納期の判断など、間違えると取引先や社内に影響が出る仕事をAIだけに任せるのはおすすめしません。
AIは「自分の代わりに仕事をする人」ではなく、「自分の仕事を早く進めるための補助役」と考えると使いやすくなります。
文章作成や情報整理はAIと相性がいい
営業事務では、意外と「文章を考える時間」が多くあります。
たとえば、取引先への納期回答です。
予定どおり出荷できる場合は簡単ですが、納期が遅れている場合は
「どう伝えれば角が立たないか」
「どこまで説明すればよいか」
「どのようにお詫びを入れるか」
と考える必要があります。
こうした文章のたたき台を作る仕事は、AIが得意とする分野です。
ほかにも、走り書きした電話メモを整理したり、長い会議メモから決定事項だけを抜き出したりできます。
営業事務では、電話、メール、営業からの依頼など、情報がさまざまな方向から入ってきます。
AIに「整理役」を任せるだけでも、十分使い道があります。
判断や最終確認までAIに任せるのは危険
AIは便利ですが、回答内容が常に正しいとは限りません。
もっともらしい文章の中に、間違った情報が混ざることもあります。
営業事務では、品番、数量、単価、金額、納期、住所など、一つ間違えるだけでもトラブルにつながる情報を扱います。
AIが作った回答は「完成品」ではなく「下書き」と考えましょう。特に数量・金額・納期・品番などは、必ず元データと照合してください。
文章作成はAIに任せても、最終的な判断と確認は人が行う。
この役割分担が重要です。
まずは「面倒だけど定型化しやすい仕事」から始める
AI活用を始めるときに、いきなり業務全体を変える必要はありません。
まずは、次のような仕事から試してみるのがおすすめです。
- 毎日のように発生する仕事
- ある程度パターンが決まっている仕事
- 文章や情報を整理する仕事
- 毎回少しだけ考える時間がかかる仕事
- 最後は自分で簡単に確認できる仕事
たとえば、メールの言い換えならすぐに試せます。
このような簡単な指示でも、AI活用の第一歩になります。
営業事務でAIを活用できる具体的な仕事


ここからは、営業事務の実務でAIを使いやすい仕事を具体的に紹介します。
「AIに何ができるか」ではなく、「自分が今やっている仕事のどこをAIに任せられるか」と考えるのがポイントです。
メール作成・返信
メール作成は、営業事務がAIを試しやすい仕事の一つです。
特に便利なのが、文章のたたき台を作ってもらう方法です。
たとえば、「在庫があります。明日出荷できます」と伝えるだけでも、取引先に送るなら丁寧な文章に整える必要があります。
ChatGPTに以下のように指示してみてください。
そうすると以下のように文章を返してくれます。
〇〇株式会社
〇〇様
いつもお世話になっております。
お問い合わせいただきました商品Aにつきまして、現在在庫がございます。
明日の出荷が可能で、到着予定日は〇月〇日となっております。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
このようにAIに文章のたたき台を作ってもらい、自社の言い回しや取引先との関係に合わせて修正します。
ゼロから文章を考える必要がないため、メールが多い日に使いやすい方法です。
納期調整やお詫びメール
営業事務で文章に悩みやすいのが、納期調整やお詫びのメールです。
「納期が遅れます」と伝えるだけでも、相手との関係を考えると表現に迷います。
そんなときは、事実関係を整理してAIに渡すと文章案を作ってもらえます。



僕も営業事務をしていると、納期調整では「何を伝えるか」だけでなく「どう伝えるか」に気を使います。文章のたたき台をAIに作ってもらう使い方は、営業事務と相性がいいと感じます。
遅延理由や変更後の納期をAIに考えさせないようにしましょう。事実関係は必ず自分で入力してください。
電話メモの整理・要約
営業事務では、電話を切った直後に別の仕事へ戻ることも少なくありません。
その結果、走り書きした電話メモが残り、あとから内容を整理することがあります。
そんなときは、AIに電話メモを渡して「誰が・何を・いつまでに対応するのか」を整理してもらえます。
このように指示すれば、バラバラの情報をタスクとして整理できます。
顧客名、電話番号、メールアドレスなどをAIへ入力してよいかは、必ず会社のルールを確認してください。
営業から頼まれた仕事のタスク整理
営業から複数の仕事をまとめて頼まれると、何から手を付けるべきか分からなくなることがあります。
たとえば、「A社の件を確認して、見積もりも作って、メーカーにも聞いておいて」と依頼された場合です。
そのまま動くより、一度タスクに分解した方が抜け漏れを防ぎやすくなります。
曖昧な依頼を整理し、「何を確認してから動くべきか」を考える補助にも使えます。
Excel関数の作成・データ整理
Excelで「やりたいことは分かっているけれど、どの関数を使えばいいか分からない」という場面でもAIを活用できます。
関数名を知らなくても、やりたい処理を日本語で説明すれば相談できます。
エラーが出たときも、「この数式で#N/Aが表示される原因を教えてください」と相談できます。
AIが提案した数式が、自社のデータ構造やExcelのバージョンに合わない場合もあります。必ずテスト用データで確認してから本番データへ使用してください。
会議メモ・議事録の作成
会議中にメモを取っていても、あとから議事録として整える作業には時間がかかります。
AIに会議メモを渡して、必要な情報だけ整理してもらう方法があります。
すべてをきれいな文章にするより、「何が決まったか」「誰が動くか」「いつまでか」を整理してもらう方が実務では使いやすいです。
マニュアル・FAQ・引き継ぎ資料の作成
自分では当たり前にやっている仕事ほど、他の人に説明しようとすると難しくなります。
AIには、箇条書きした作業手順を読みやすいマニュアルへ整理してもらえます。
新人向けマニュアルだけでなく、引き継ぎ資料や「よくある質問」をまとめたFAQのたたき台にも使えます。
社内文書や業務改善案のたたき台作成
AIは、自分の考えを整理するためにも使えます。
たとえば、「電話対応が多くて自分の仕事が進まない」という悩みがあるとします。
AIの提案をそのまま採用する必要はありません。
自分では思いつかなかった選択肢を出してもらい、自分の職場で実行できるものだけを選びます。
AIは「答えを決めてもらうため」ではなく、「考える材料を増やすため」に使うと、業務改善にも活用しやすくなります。
営業事務ですぐ使えるAI活用プロンプト例


AIを使うときによく出てくる言葉が「プロンプト」です。
プロンプトとは、簡単にいうとAIに入力する指示文や質問文です。
難しい命令文を書く必要はありません。
「このメールを丁寧にしてください」という一文もプロンプトです。
ただし、AIに伝える情報が少ないと、自分が求めている回答からズレやすくなります。
取引先へのメールを作成するプロンプト
「誰に何を伝えたいか」まで具体的に入力すると、修正する手間を減らしやすくなります。
納期遅延を角が立たない文章にするプロンプト
事実をAIに作らせず、自分で条件を入力することがポイントです。
電話メモからタスクを整理するプロンプト
電話対応後に、「結局何をすればよいのか」をすぐ確認したいときに使いやすいプロンプトです。
Excel関数を作ってもらうプロンプト
関数名が分からなくても、「何をしたいのか」を説明できれば質問できます。
業務マニュアルを作るプロンプト
普段の業務を簡単に箇条書きして入力するだけでも、マニュアルの土台を作れます。
営業事務がAIを使うときに注意したいこと


AIは便利ですが、営業事務では顧客情報や社内情報を扱うため、使い方には注意が必要です。
効率化できても、情報漏えいや誤回答によるミスを増やしてしまっては意味がありません。
顧客情報や社外秘データを安易に入力しない
営業事務では、顧客名、担当者名、電話番号、メールアドレス、価格、取引条件などを扱います。
こうした情報を、利用可否を確認しないままAIサービスへ入力するのは避けましょう。
会社によって、利用できるAIサービスや入力できる情報の範囲は異なります。
練習するだけなら、「A社」「商品A」「担当者B」のように、実際の情報を伏せて使う方法があります。
「AIに入力できる=会社の情報を入力してよい」という意味ではありません。顧客情報や社外秘情報を扱う場合は、必ず社内ルールを確認してください。
AIの回答をそのまま信用しない
AIは、間違った内容でも自然な文章として回答することがあります。
そのため、「AIがそう言っているから正しい」と判断するのは危険です。
メールなら文章表現を確認し、Excelなら数式が正しく動くかテストします。
制度やサービス内容などを調べた場合も、重要な情報は公式サイトや社内資料で確認しましょう。
数字・納期・商品情報は必ず自分で確認する
営業事務で特に注意したいのが、数字や取引条件です。
- 数量を10個と100個で間違える。
- 納期を1日間違える。
- 単価や商品コードを間違える。
こうしたミスは取引に直接影響します。
会社のAI利用ルールを確認する
自分では問題ないと思っても、会社として生成AIの利用を制限している場合があります。
仕事でAIを使う前に、次の点を確認しておきましょう。
- 生成AIを業務で利用してよいか
- 利用できるAIサービスが指定されているか
- 入力してはいけない情報は何か
- AIで作成した文章や資料をどこまで利用できるか
個人の判断だけで使わず、社内ルールがある場合は従ってください。
営業事務のAI活用は、まず1つの仕事から始めよう
営業事務でAIを使うなら、最初から多くの仕事をAI化しようとしなくて大丈夫です。
まずは、自分が毎日やっている仕事の中から一つだけ選んで試してみましょう。



最初は、メール作成や文章の言い換えがおすすめです。
難しい設定が必要なく、文章を入力して指示するだけなので、AIを使ったことがない人でも始めやすいからです。
使ってみて便利だったプロンプトは、自分用に残しておきましょう。
たとえば、次のように用途別に分けて保存しておくと使いやすくなります。
- 取引先へのメール作成
- 納期調整・お詫びメール
- 電話メモ整理
- Excelの質問
- マニュアル作成
慣れてきたら、Excel、タスク管理、議事録、マニュアル作成、業務改善へ少しずつ広げれば十分です。
AI活用で大切なのは「何でもAIにやらせること」ではなく、自分が時間を取られている仕事を少しずつ減らすことです。
営業事務は、電話、メール、受発注、納期調整、営業からの依頼など、複数の仕事を同時に進める場面が多い仕事です。
AIに任せられる部分だけを補助してもらえば、自分は確認、判断、社内外との調整など、人がやるべき仕事に集中しやすくなります。
まとめ|営業事務のAI活用は「面倒な作業の補助」から始めよう


営業事務の仕事には、AIを活用できる場面がたくさんあります。
特に、文章作成、情報整理、要約、Excelの相談、マニュアル作成などは、AIを取り入れやすい仕事です。
一方で、受発注の確定、納期判断、数量や金額の確認など、正確性が求められる部分までAIに丸投げするのは避けましょう。
最初から多くの機能を覚える必要はありません。
まずは今日送るメールの下書きや、手元にあるメモの整理など、一つの仕事から試してみてください。
そこで「これは使える」と感じたら、少しずつExcelやタスク整理、業務改善へ広げていけば十分です。



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